カビパン男と私

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Panasonic DMC-TZ85 メモ

Panasonic DMC-TZ85 というコンパクト・デジタルカメラを買ったとき、おそろしくたくさんある機能を前にして、「うっ」ってなった。ここを押さえておけば、まあ使いこなせるというところをメモしておく。(ウソ書いてたらごめんなさいです)

最も基本的な選択

撮影前にわれわれが最初に選択すべきことは、

① jpeg などで記録される普通の静止画を撮るか
② mp4 で記録される動画を撮るか
③ mp4 で記録される静止画を撮るか (1) 4Kフォト (2) フォーカスセレクト

である。ここでは ② の動画については触れないことにする。③は少し説明が必要だろう。一般に動画というものは静止画を何枚も連続して再生するものである。したがって、何枚もの静止画を、動画を記録するための規格である mp4 形式で保存することができる。

Panasonic DMC-TZ85 はこの ③ を 2 つの用途に用いている。

ひとつ目は、連写したデータを一つの動画ファイルにまとめることである。 Panasonic DMC-TZ85 ではこれを「4K フォト」と呼んでいる(この用語は覚えておこう)。そうしておいて、あとでちょどいいシャッターチャンスとなった静止画を mp4 形式の動画ファイルから取り出すのである。(普通の静止画による連写も可能だが、それは別の話だ)

もう一つは、焦点を合わせる場所を前後に変えて何枚か同じ対象の写真を撮ることである。Panasonic DMC-TZ85 ではこれを「フォーカスセレクト」と呼んでいる(この用語は覚えておこう)。そうしておいて、あとでちょどいいところに焦点があった静止画を mp4 形式の動画ファイルから取り出すわけである。

ふつうの静止画にするか「4K フォト」にするかは、背面の 4K ボタン(F1ボタン)で選択する。

ふつうの静止画にするか「フォーカスセレクト」を用いた静止画にするかは、背面の山とチューリップのボタン(F2ボタン)で選択する。

「フォーカスセレクト」と「4K フォト」を同時に指定すると、「フォーカスセレクト」が優先されるようだ。

「フォーカスセレクト」と「4K フォト」は静止画の撮影に使われるが、その実態は動画に近いということを知っておくと、設定上の疑問が解決することが多い(たとえば、「フォーカスセレクト」と「4K フォト」ではフラッシュが使えないが、動画でフラッシュが使えないのと同じであると思えばわかりやすい)

シャッター方式

Panasonic DMC-TZ85 では、「メカシャッター」と「電子シャッター」を選択できる。「4K フォト」「フォーカスセレクト」では、設定にかかわらず電子シャッターが使用される。普通の静止画では、どちらのシャッター方式を選ぶこともできる。そのためには MENU/SET ボタンからたどってシャッター方式をセットする。なお、電子シャッターに設定すると普通の静止画を撮るときにもフラッシュが使えなくなるので注意。

撮影音

焦点が合ったときや、シャッターを押したときに出る音を消すには、MENU/SET からスパナのマークを選んで「電子音」を選択。

MENU/SET から、「スパナとC」のマーク(つまりカスタム)メニューを選び、そこから「サイレントモード」を ON にすると、電子音が出ないばかりか、フラッシュをたくこともできなくなる。

フラッシュ

フラッシュをたくかどうかは、背面ダイヤルの雷マークを押して設定する。

ふつうの静止画ではフラッシュを使用することができるが、「4K フォト」や「フォーカスセレクト」は動画と同じでフラッシュを使用することができない(これはしばしばユーザーを慌てさせる)。

シャッター方式が「電子シャッター」になっていると、ふつうの静止画でもフラッシュをたくことができない(これはしばしばユーザーを慌てさせる)。

前項で紹介「サイレントモード」が ON になっていると、電子音が出ないばかりか、フラッシュをたくこともできなくなる。

後に触れるが、「フラッシュを発光する設定にすることができない」というときに、上部ダイアルで iA モードを選択しても解決しない。

焦点を合わせる場所

静止画撮影中背面液晶をタッチすることによって、被写体のどこに焦点を合わせるかを指定できる。またこのとき、背面ダイアルによって焦点を合わせる範囲の大きさを指定できる。これらを変えると、以後焦点の合うエリアは移動したままになる。

これらをデフォルトに戻すには、液晶画面に表示される「DISP.リセット」をタッチする。「DSIP. リセット」が液晶画面内に表示されていないなら、液晶画面の任意の場所をタッチすると 1 秒くらいしてからこれが表示される。「DISP.リセット」タッチ 1 回で、焦点を合わせる場所がデフォルトに戻り、もう 1 回のタッチで焦点を合わせる範囲が元に戻る。

絞りとシャッター速度

静止画(普通の静止画、4K フォト、フォーカスセレクト)を撮る場合に、シャッター速度、絞りをどのように決めるか、その方針については従来のカメラと同様である。つまり、上面ダイアル(Panasonic DMC-TZ85 ではこれをモードダイアルと呼ぶ)で、

P(プログラムAEモード)
A(絞り優先AEモード)
S(シャッター優先AEモード)
M(マニュアル露出モード)

を選択する。従来のカメラだと、この絞りとシャッター速度の決定方法が撮影時に第一に決めるべきことであったが(だからこそこれらの選択に上面の物理ダイアルという一番ごついものを使うのだろう)、Panasonic DMC-TZ85 では、むしろ前に述べた「普通の静止画」「4Kフォト」「フォーカスセレクト」間の選択のほうが基本的な選択ということになるだろう。

iA(インテリジェントオート)モードについては、次項参照。

iA(インテリジェントオート)モード

前項で触れなかったが、上面ダイアル(モードダイアル)には、「iA」(インテリジェントオート)という選択肢がある。取扱説明書では「カメラにお任せで撮る」というタイトルで、これを紹介している。このモードは被写体に応じて露出やシャッタースピードその他の設定を自動的に切り替える。また、顔認識や追尾を用いた焦点合わせを行う(これについては次項参照)。

注意すべき点は、上部ダイアルで「iA」を選択したからといって、「『4K フォト』や『フォーカスセレクト』、あるいは『電子シャッター』の設定が無効になって普通の静止画が撮れる」ということはない、ということだ。

よく遭遇するトラブルは「お任せモードなのに、暗いところでフラッシュが発光しない!」だ。そういうときは、『4K フォト』や『フォーカスセレクト』、あるいは『電子シャッター』を別途解除しなくてはいけない。(たぶんこれは一般的なユーザーが想像する「カメラにお任せ」というイメージと違うと思う)。また、フラッシュ設定が「発光しない」になっている場合には、「iA」を選択しても、従前の設定が引き継がれる。そうしたときにフラッシュを使いたいなら、別途フラッシュ設定をオートにセットし直さなくてはいけない

なおマニュアルには上部ダイアルに見当らない「iA+」というモードが紹介されている。これは、MENU/SET から iA と書かれたカメラのマークを選択すると、選べるようになるモードである。

顔認識/追尾 AF(オートフォーカス)機能

AI っぽい機能として、顔を認識してそこに焦点を合わせ追尾し焦点を合わせ続ける機能(顔認識)、液晶でタッチした被写体を自動的に追尾しそこに焦点を合わせ続ける機能(追尾)がある。これは、MENU/SET からカメラのマークを選択して「オートフォーカスモード」で「顔認識」または「追尾」を設定すればよい。

「iA」モードでは、デフォルトで「顔認識」になっていて、液晶画面にタッチするとその被写体を「追尾」するように切り替わる。シーンごとの露出やシャッタースピードの調整とともに、これが iA モードの大きな特徴だ。

顔認識や追尾といった、必ずしも一般的とも思えない機能が iA モードで自動的に選択されるのは、iA モードが「初心者用のお手軽モード」という趣旨ではなくて、「カメラに塔載された AI を活用する」という趣旨であることを意味していると思う。(初心者だと、うっかり液晶画面に触れて、関心のない被写体を追尾させてしまったりするのではなかろうか)

普通の連写機能、セルフタイマー

背面ダイアルの下向きボタン(連写のアイコンとタイマーのアイコン)を選択すると、「4K フォト」でない一般的な連写(mp4 でなく jpeg や raw で保存される)や、セルフタイマーによる撮影ができる。

(ちょっと嫌なのは、このメニューから「4K フォト」を選択することもできるということである。これは背面 Fn1 ボタンを使って設定することができるので、2 通りの設定方法が提供されていることになるわけだが、かえってわかりにくくなるような気がする)

設定のリセット

出荷時設定に戻すには、MENU/SET ボタンを押して、スパナのマークから「設定リセット」を選択する。

@kabipanotoko