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国土地理院「電子国土ラボ」のぞき見

国土地理院が試験的に SVG(Scalable Vector Graphics)形式の地図データを一般に公開している(http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/0719c.html)。さっそく覗いてみよう。
http://www.svg-map.org/wiki/
がその頁である。

内容は 25,000 分の 1 の地図で、だれでも国土地理院の http サーバから、緯度・経度ともに30秒ごとに区切られた区画の SVG ファイルを入手できる。

http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/0719c/0719c-1.html
にある公開範囲の図を見ると、公開範囲がわかる。

この地図の SVG データを入手するためには、必要な区画の SVG ファイルの URL を求める必要がある。

各SVG ファイルの URL は
http://watchizu.gsi.go.jp/riyou/gaiyou/h03seisyoku.htm
によると、
http://cyberjapan.jp/data/svg/A/B/C/D-E-all.svg
の形をしている。

A: 「タイルに含まれる経緯度幅」。それぞれの地図の区画の大きさを示す。今のところ、これは 30 しかないようだ。これは、各区画の幅が、経度緯度ともに 30 秒に相当することを示す。

B: 「時間属性」。今のところ new しかないそうだ。

C: 「経度値」。D と同じ値。D のところを参照。

D: 当該地図区画の南西端経度。世界測地系。単位は 1/100 秒。

E: 当該地図区画の南西端緯度。世界測地系。単位は 1/100 秒。

D と E は具体的に次のように求める。

ためしに、黒部ダムを含む地図の URL を求めてみよう。
同ダムの世界測地系による緯度・経度を Google の map で調べてみると、
東経137.662103度北緯36.566308度である。
これを秒に直すと、
東経495583.570800秒、北緯131638.708800秒となる。
それぞれ 30(上の A である)で割った商の小数点以下を切り捨て、再び 30 を掛ける
東経495570秒、北緯131610秒。
これが、黒部ダムを含む地図区画の南西端である。
これに 100 を掛けて、1/100 秒単位にすると、
東経49557000、北緯13161000

したがって、 http://cyberjapan.jp/data/svg/30/new/49557000/49557000-13161000-all.svg
に黒部ダムが発見できることになる。

黒部ダムが中心くらいにくるように、上記 URL の区画にそのすぐ北の区画をつなげてみた。作業がテキストエディタで行えるのは svg のいいところだ。

黒部ダム(SVG ファイルだから、ブラウザによっては見えないでせう。スマン)

緯度・経度によって細かい区画に分かれたものを合併したものなので、たとえば、湖の色を変えて塗るなどという作業をするためには、湖がまたがる区画すべてにおいていちいち塗りの作業をしなくてはならない。(湖エレメントの ID に何か工夫でもあるのかもしれないが)。

どうやら公開元では、ユーザが直接に SVG をいじるのではなく、事業者がこれを利用してユーザにラスタライズされたデータを提供するというケースを考えているらしい。

(2007/07/26)

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