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松重閘門

閘門(こうもん)とは「船舶を高低の差の大きな水面に昇降させる装置。船を入れる閘室があり、閘室の前後に開閉し得る扉を有し、一方を開いて水とともに閘室内に入れた後、扉を閉じて船を他方の水位と同位に置いて運航させる。」(広辞苑第五版)ものである。

つまり、閘門とはパナマ運河にあるようなもので、名古屋でもこれが昭和51年まで使用されていたということである。現在もその一部が残されている。で、見に行ってみた。鶴舞線「大須観音」駅から堀川ぞいに歩いてアクセス。

堀川には随分とゴミが捨てられていて、不法投棄禁止の看板が目立つ。しかし、流れているとみえて、臭いはない。

十分ほど歩くいて、目的の閘門を発見。閘門は、船舶が入れる程度の間隔をもつ二つの堰からなり、それぞれの堰が昇降用の動力を備えた二つの塔にはさまれている。まずは、東の堀川側にある堰と塔を見る。

可動式の堰そのものは、コンクリートで固められている。かつて堰を昇降させていたチェーンは、このコンクリート堰から上方に伸び、滑車で方向を左右に変え、その先は動力室を持つ二つの塔(ロード・オブ・ザ・リングとは関係ない)の中に消えている。

ちょっと一休み。ヘクソカズラが花ざかり。

残念ながら天気はあまり良くないのだ。

堰と堰の間には、ちょうど大きな道路が走っており、ご丁寧なことにその上を高速道路が通っている。東京の人は日本橋の悲惨な状態を思い起こされよ(ところで、日本橋は高速道路を撤去するという話があったけど、今どうなっているのだろう?)。下の写真は高速道路の向こうに見える西側の塔。

堰にはさまれた部分は、注水や排水により船を上下させるために用いられていたのであるが、そこは現在、松重閘門公園という小さな公園の一部になっている。ただ、残念なことにちょうどその場所は立入禁止となっている。

堰と堰の間で、自動車が走る橋の下になっている部分(つまり、上の写真を撮っている私のちょうど真下)は雨風をしのぐのに都合がよいらしく、人が住居している。洗濯物などが干してあり、収集したアルミ缶がを詰め込んだ大きな袋が二つ置いてあった。

猫を二匹見かけた。あとで写真を確認すると、そのうち一匹は大変険悪な表情で私を睨みつけていたし、もう一匹は子猫なのだが、耳の後ろから後頭部にかけて血がにじんでいるようであった。

人糞のような塊を踏みそうになりながら公園を出、閘門東側の堰のさらに東側にまわる。

この堰より西(写真手前)側は、中川運河東支線と呼ばれている。水の流れがないのであろう、耐え難い臭いがする。

ちょっと塔の細部を見てみることにしよう。拡大して見ると直線を組み合わせたデザインで、なにやらかわいい感じがしてしまう。これは、塔がコンクリート製なので、細かい細工ができなかったということなのかもしれない。

下の信号機は船舶に合図をするためのものであろう。

帰りはまた、大須観音駅まで歩いた。

(2007年7月20日)

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