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gimp で文字を塗る・輪郭に色をつける
よい子のみんな、おはよう。今回やるのは、こんな作業だよ。
からを作成してみよう。
左の猿は、アンチエイリアスがかかった、ビミョーな猿で、それをまたビミョーに塗るんだ。
これができれば、スキャナで読み込んだ絵の輪郭線を微妙なトーンで塗るのにも応用できて、お絵描きの腕前ワンランク・アップ間違いなしだ。
ぼくは Gimp 2.6.1 Linux 版を使ってるけど、みんなはどうかな。Gimp はバージョンアップごとにインターフェースが結構変わるから、スクリーンショットを使わないで、できるだけ言葉で説明するよ。
みんなはアルファチャンネル(狭義)って知ってるかな。これを塗らないと他のインクをどんなに塗っても人間の目に見えるようにならないという魔法のインクがあるんだけど、アルファチャンネルはそのインクをのせるためのシート(版画の色刷りの版みたいなものかな)なんだ。ちなみに、このインクが載っていない部分は、絵が見えるかわりに下がスケて見える、つまり、透明になっちゃうんだね。
「『見えインク』で猿の字を書いたアルファチャンネルを用意して、普通のインクを載せる版にざざっと色を塗ればうまくいくと思います」
いいアイディアだね。でも、どうやってアルファチャンネルに猿という字を書くのかな?
じつは、今の Gimp はアルファチャンネルだけ編集することを想定していないんだ。でも、ガッカリしちゃ駄目だ。レイヤーマスクを使えば、アルファチャンネルを使わないで、「見えインク」の塗り方をコントロールできるからだ。
「アルファチャンネルを編集したいんですが」という言う人のやりたいことは、レイヤーマスクで解決できることが多いよ(註)。ようするに、「アルファチャンネルを編集するにはどうしたらいいか」じゃなくて、「見えインクをうまく塗るにはどうしたらいいか」と考えればいいんだね。Gimp では「見えインク」を塗る方法はアルファチャンネルを使うだけじゃないというところがポイントだ。
もちろん、PING なんかはレイヤーマスクをサポートしていないよね。でも、Gimp で作成した絵を PING で保存するときは、レイヤーマスクに塗った「見え」インクが、必要に応じて PING ファイルのアルファチャンネルに保存されるから心配いらない。
じゃ、さっそく取り掛かろう。
まず、レイヤーを一枚用意しよう。アルファチャンネルはあってもなくてもかまわない。背景は白にしておこう。これに、猿という字を黒で書くんだ。ちなみに、アンチエイリアスは入れておいたほうがきれいだ。おっと、新しい Gimp は文字を打つと文字だけ載せたレイヤーが新たに作成されるから、これをはじめに用意したレイヤーと合体させておくのを忘れないようにね。
ここで、レイヤーマスクを作成する。「レイヤー」→「レイヤーマスク」→「レイヤーマスクの追加」だ。君の Gimp では違ったやり方をするかもしれない。これをやると、レイヤーマスクの初期化方法というのを尋ねられる。ここが肝心だ。「レイヤーのグレースケールのコピー」を選択して「マスク反転」をチェックしよう。OKを押すと、レイヤーマスクが作成される。これで、猿の字の黒く塗ったところにだけ「見えインク」が載ったレイヤーマスクが作成されるってわけだ。
それじゃ、うまくいったかどうか、レイヤーダイアログを表示して確認してみよう。ダイアログボックスを見ると、レイヤーを示すアイコンが左右二つに分かれているよね。左側の猿は黒い猿で、右側が白い猿になっていると思うけど、どうかな。右側がレイヤーマスクを示していて、アイコンの白い部分は「見えインク」が載っていることを示しているんだ。このとき、メインウィンドウのほうは、黒い猿の背景が市松模様になっているはずだよ。
さっそくカラフルに塗りたいけど、ちょっと待って。レイヤーマスクを作成したばかりのときは、ツールはみんなレイヤーマスクに作用してしまう。レイヤー・ダイアログ・ボックスの二つのアイコンのうち、左側をマウスクリックで選択して、ツールが働く対象をもとのレイヤーに戻しておこう。
さあ、やっと色塗りだよ。ペンなりブラシなりで、好きに塗ろう。
そうそう、言い忘れてたけど、背景を白にしたい人は、真っ白なレイヤーを新しく作って、作業するレイヤーの下に敷いてね。これも、アルファチャンネルのあるレイヤーでも、ないレイヤーでもいいよ。
註:「そーゆー新規の話じゃなくてさぁ、今手持ちの画像がアルファチャンネルを使っていてさあ、それを編集したいんだよぉ」というお友達は、レイヤーマスクを作成するときのダイアログで「アルファチャンネルを転移」を選択すると、アルファチャンネルの内容がレイヤーマスクとして編集できるよ。