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カビパン男の誕生

カビパン男の誕生は、いつの頃なのか定かではない。私が小学生の頃は、すでにH氏の算数のノートに登場していたことは確かである。カビパン男の誕生については、次のような噂がある。

H氏はキュウリが嫌いだった。しかし、小学校の給食で船底キュウリというやつがよく出た。キュウリをタテに割って粗塩をつけて食うのだ。氏はパンをくりぬいてその中にキュウリを隠す手を考えた。パンは残してもよかったのだ。腹は減るがキュウリを食うよりはマシだ――と氏は考えたかどうかはわからない。ところが、物事を貫徹する力にやや欠ける気味のある氏は、そのパンを机の中に入れたままずっと忘れていた。そして数日後の掃除のときに級友により発見、先生に通報された。このパンからカビパン男が発生した。

というのが、噂の概略である。しかし、これは氏が五年生か六年生の頃の話であり、カビパン男の誕生がそれよりも古いという証拠がいくつも発見されている。真相はやはり謎のままだ。

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