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カビ汁

梅雨時は洗濯物の乾燥機が活躍する。わが家にも一台ある。たいがいの家庭では、洗濯機の上に専用の足をつけて載っているようであるが、私の家では、違う。というのは、専用の足を買ったものの、規格が合わず、電器屋と喧嘩したのである。その結果、木の箱の上に載っている。この乾燥機というものは、洗濯物の水分を排出する口が下側についている。そこで、台にしてある木箱に穴を空けて、そこから水を落とすようにした。落ちてきた水は、木箱の中にある発砲スチロールのトロ箱のようなもので受ける。

このスチロールの箱にカビが生えるのである。カビといっても、毛のようなものが集まった青カビのたぐいとは違う。ただピンクのぬるぬるなのである。このピンクのぬるぬるは、風呂洗いなどの手を抜くと出現することがあり、歯みがき用のプラスチックのコップなどに生えたこともある。どうやらプラスチックの類いに生えるものらしい。洗濯物の水が発砲スチロールの箱にたまると、それまでに生えたこのピンクのカビが溶出する。そして、ピンクの汁ができあがるのである。乾燥作業が終わって、この汁を洗面台に捨てるのは、長く伸ばした爪を切るのに似た愉快があると私は思っている。

ちなみに、最近風呂掃除をさぼると生えてくるのは、このピンクのやつではなく、青緑に白を混ぜて彩度を落としたような色のやつだ。どうも、綺麗な色なのでカビには見えないが、洗わないでいると面積が増えるところを見るとやっぱりカビに違いない。(Tue Jun 27 2000)

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