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三十四日目

軽、血、決、研、県、庫、湖、向

軽

上図は王羲之を真似たもの。

「車へん」横画の活字での対応部分については、「運」参照。

「軽」のいわゆる旧字体は「輕」であるが、伝統的には、

である。「経」のツクリも同様。日経の読者はタイトルを見てみよう。

「車へん」には、いくつかの書き方があり、謎が多い。

上図は孫過庭のもの。私は次図のような洒落だと考える。

「車へん」には、また別の、「月へん」の草書に似た形があるが、次のように考えてみる。「月へん」との整合性もとれるのではないか。（次図は隋の智永を真似たもの）

血

上図は孫過庭を真似たもの。

上図右側で赤で塗った画は、左側に対応する部分がない。下図はこれを説明するもので、東晋王羲之の字。

決

上図は王羲之を真似たもの。

なお、唐の楷書を見ると、現在の活字の形とは少し違う。

研

上図は孫過庭を真似た。オレンジの画が、ツナギではなく鳥居の形の上の横画だというのは、私の憶測。

ペン字用の便覧を見ると、オレンジに塗った画をもっと自然な角度にしたものが載っていた。

次は[1]を参考にしたもの。

次は[2]を参考にしたもの。

それぞれの工夫ありだが、美的な問題であり字体の問題ではないので突っ込まない。

県

ご存知の通り、県は縣である。

上図は王羲之を真似た。これがわかれば、次の孫過庭の形もわかる。目の第一画目が表現されているが、基本的には同じ字体。目が斜めになっているのは、美的センスの問題だろう。

ちなみに、現在の「県」は、「目 + Ｌ + 小」でできているが、唐の時代の楷書でこれに当たる部分は、「目 + 一 + 小」でできていた。次図は、欧陽詢の書いた形。

湖

下図は東晋の王献之を真似た。

下図は東晋の王徽之（Wikipedia ）の字で、これを見ると上図で「さんずい」と「月」の間にあるクルリンが何なのか想像できる。

向

上図は王羲之を真似た。「何」と似ているが、骨格となる部分に違いがある。

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