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二十八日目

今日から三年生の漢字だ。

悪、安、暗、医、委、意、育、員

悪

悪には、二種類あったようだ。「西」の下に「心」のような字と、惡である。下はともに隋の字。ＪＩＳ第一水準にあり、われわれが一番よく使う形である「悪」は、古いものには見当たらない。

王羲之も、この二つの形をどちらも書いている（下図）。

王羲之の字ふたつを使って、悪の形の進化？を見る。

さらに進化？は続き、最初に示した形になる。

この形は、日本では、仮名の「あ」として用いられた。高野切一種などにもこれを発見できる。

ふざけて楷書風に書いてみると、

安

もちろん、これが「あ」の起源。

暗

「音」参照。上図は明の時代の字。晋や唐の時代は暗くなかったのだろうか。昔から日が落ちれば天の昏（くら）いのを知ったり、学んで思わないやつは罔（くら）かったりするわけだが、はたして暗かったのかどうかは、私には冥々である。

冗談で楷書風に書いてみると……

医

医は醫である。

だいたい便覧の類いには下の形が載っている。

下は唐の楷書。

委

意

上図は王羲之。どうしてこの形になるのか、王羲之の字を書道字典から拾って推測してみる。

左から二番目と三番目でスゴイことが起きているらしい。これ見よがしに長く延びた横画を、スッパリ省略したようだ。これは、「言」などにも見られるセンスだろう。

ふざけて楷書風に書いてみると……

育

員

水色に塗った画が、ツナギではなく書体にとって欠くべからざる画であることについては、「去」参照。

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